Audiokillar |
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Audiokillar ◆目次◆ | ||||||
序 章 ROCKと戦争 第一部 蒼き炎 キアヌ・クルーガー編 第一章 モルジブの海は燃える 第二章 ROCK・父への誓い 第三章 呪いのジェンベ 第四章 ロシアの皇帝 第五章 サムライ 第六章 反逆のデビュー 第七章 ホワイトルークの陰謀 第八章 友情の罠 |
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第二部 カストラート 角魔大鷹編 第九章 神の声 第十章 アドニス神話 第十一章 レノン島襲撃 第十二章 光と闇 第十三章 歌に捧げた命 |
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第三部 LIVE・戦いの果て 第十四章 魔手 第十五章 拷問 第十六章 戦地への脱獄 第十七章 殺戮の終止符 第十八章 オーディオキラー |
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序章 ROCKと戦争 夜のヤンキーススタジアム、外野に並ぶ十六台の重戦車M9X。 内野のステージに立つロックバンド、ブラスターのボルテージが最高潮に達したとき、大観衆と合体したサウンドが襲いかかる。 激震と共に戦車は大砲が曲がり始め、端から順番に煙を上げ爆発した。 ロック狂たちの叫声が乱射され、大観衆のノイズは最高潮に達した。 金髪の眼光青く涼しく鋭い青年がステージに上がりバンドのボーカルから、マイクを受け取った。 「ロックと戦争、それは常に敵対してきた。戦争の目的、それが防衛と侵略に変わりはないならば、ロックは魂の開拓と破壊だ!」 収まらない喝采はスタンドにビッグウェーブを巻き起こした。 「人間には未知なる能力がある。気孔師による気のエネルギー、それらは近年になり科学的に解明され始めた。 それら気の一つに、感情の高まりを示すエモーショナルがある。 そしてこのエナジーを音響兵器として取り入れたのが、オーディオキラーだ。 これは人を攻撃せず全ての金属を破壊する人類最強の兵器だ!」 ケビンは腕に巻いたエナジーバンドを大観衆に見せた。 「こいつは腕時計じゃない。エナジーパラメーター、エモバンドだ。本物のレベルに到達したアーチストたちはこの数値が400を超える。オーディオキラーで全ての金属を破壊するには500以上のエナジーを必要とする。 つまり超一流の音を持ったアーティストでないと、起動しない。 どうだ、私と一緒に、全ての戦争を破壊しないか!」 世紀の大発明に、駆けつけた。科学者とロッカー全ての観衆から 喝采の嵐を浴びケビンは両手を大きく上げた。 「ハーバードのアウトサイダーがとんでもないものを発表してしまったな。しばらくは国外にいた方がいいかもしれない」 「分かっているよカルビン。レナード政府がどう動き出すか想像はついている。まあ俺にはあの大西洋の孤島が一番居心地もいいしな」 肩を揺さぶり意気揚々とスタンド入り口の通路を歩く二人。 「国がどう動こうと、俺はお前の味方だ、ケビン」 「お前が早く大統領になってくれ。戦争のない世界を作るためにもな」 * * 当時、世界征服を目論みる軍事大国レナード合衆国と、中近東に出没したインダス連邦は世界の覇権をかけて日々、武器開発を行い水面下での戦いを繰り返していた。 人々は、世界を危機にさらしかねない水面下での戦いを知らされる事もなく、不透明な未来に怯えながら、魂の叫び、ロックに陶酔した。 この兵器氾濫時代の中、科学者ケビン・レノンの発明は、軍事大国レナードに脅威を抱かせた。 −ホワイトルーク会議室− 「このようなものをつくり上げてはならない。世界最強の軍事大国であり、かつ軍事貿易で成り立つわがレナードの世界的地位を、覆しかねない発明であり叛逆だよ。 全ての兵器をロックで壊すだと……ふざけるな!」 大統領ゲーリー・ダグラス、彼の前に立ちふさがるものは全てこの世から消えた。彼の命令のもと、ケビンは自ら名付けたレノン島で、その発明機器と共に暗殺された。 「ケビン、お前の死を無駄にはしない……!」 友人を殺害された怒りは夜毎カルビンの報復心を燃え上がらせ、この事件を国会で討議しゲーリーを追いつめるが証拠不十分で裁判に敗訴する。 以後、オーディオキラーの設計図となるICチップは政府の手から、何者かによって盗まれた。 盗んだグループは国籍不明の5人組で200人のレナード兵を殺した事から『スパルタ兵の強奪』と世の人々に称された。 独裁政権の元、圧倒的軍事力で世界を制圧しようとした大統領ゲーリーはやがて八年の任期を終え、新政権は平和主義者、共和党のカルビン・クルーガーと、ゲーリーの後継者、民主党のジョシュ・ホーストの一騎打ちとなった。 この動乱の時代に反抗の象徴として立ち上がった二人の天才ロッカーがいた。 それは、オーディオキラーを起動させるために欠かせない二人。 ギタリスト、キアヌ・クルーガー。 ヴォーカリスト、角魔大鷹(カクマ・ダイオウ) |
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