著者:上田賢次
出版社:鉱脈社
発行年月:2001年 10月
頁数:250頁
サイズ:単行本(四六判)
仕様:並製本
ISBN:4906008941
本体価格:1,250円
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『うさぎになった男』立ち読み
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『うさぎになった男』ストーリー紹介
宇佐財閥の長男、跳男は成績優秀、スポーツ万能、ルックス抜群のKO高校2年生。
女生徒からはモテモテの反面、男子生徒からは妬まれていた。
車椅子の弟、猫太は兄と反対に内向的で勉強も出来ず体も弱く、
女の子と見間違えられる。彼の趣味は作曲。
そしてある日突然、
跳男はウサギになってしまった!
これにより彼を取り巻くすべてが変わってしまう。
両親は跳男を見せまいと外へ出ることを禁止し、大学を休ませ、
世界中の病院を彼を連れて飛び回った。
「この子を人間に戻してください!」
しかしそれは無駄に終わり両親はとうとう彼を見放した。
そんな跳男に人間だったときと同じ態度で接していたのが猫太だった。
「猫太、お前、こんな俺を兄貴って呼んでくれるのか」
「当たり前じゃないか、だって、兄貴は兄貴だもん」
この言葉が彼を救った。そして猫太は以前より冷たくなった両親に遂に怒った。
「父さんも母さんも、あんまりだよ!兄貴が人間だった時は、あんなに期待していた癖に、
大切なのは人間としての心だろう!」
この言葉が2人を目覚めさせ、跳男は遂に学校に行くことになる。
しかし、そこに待っていたものは偏見、いじめ、差別であった。
以前は彼のファンだった女学生、子分だった男子生徒がウサギになった彼に冷たく当たる。
失意のどん底で彼はある日、それまで誰も聞いたことがない猫太の音楽をパソコンでこっそり聴いた。
跳男は泣いた。その楽曲があまりにも素晴らしかったからである。
跳男は猫太に言った。
「お前はいつも家にこもりっきりで社会から逃げている。この曲を歌って発表しろ」
「兄貴が歌ってくれるなら、発表してもいい」
「よっしゃ、やってやるよ!」
こうしてライブに向けてのバンドメンバー集めが始まった。
ウサギのバンドに集まってきたのは、彼が以前友人だと思っていた男たちではなく、
彼を遠くから見つめ、その歌唱力を認めている宇多田影夫だった。
そして以前彼を好きだった女の子たちの中で、ウサギになった今でも彼を愛している女がいた。
白鳥財閥の一人娘、白鳥優子だった。人間時代には見えなかった本当の愛、友情を彼は知った。
優子の愛に応えるため、跳男は彼女の誕生日にライブを決行!
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