第一章『白い悪魔』 カンムリクマタカの頂上対決!FVSジャンゴー
 悪魔の子、それは神の子かもしれない。女帝タイラはFの強さに酔いしれた。
ジャンゴーを倒し、このジャングルから世界へ飛び立つ。意っぽいジャンゴーはカンムリクマタカ最強のプライドをかけて、Fをこの戦いで殺すことを決意する。「俺が最強であるために……!」
 【戦力徹底比較】
 カンムリクマタカ最強をかけた頂上決戦を徹底比較!

 ジャンゴーはアフリカ最強のカンムリクマタカ。飛行術、ケンカのテクニックで優位に立つ。
Fの武器はスピードとパワー、そして地獄を生き抜き成長した不屈の闘志だ!

『鷹戦士F』 第一章 白い悪魔−本文抜粋


(錯覚を利用したか、うまいぜ。長引かせれば、それだけ相手の術中にはまってしまう)
 Fは再び急接近する。そして相手が交わしに来た。今度はそこで更に加速する。ジャンゴーはそのスピードに対応できずFは一気に掴みかかった。そしてその脚をガッシリと掴んだ。
「差し違える気か!」
 タイラは思わず止めに入ろうとした。Fは完全な殺し合いに出ている。野生界では反則技とさえいえる。
「待て!男の勝負だ!」
 その声は、ゴマバラワシのダンだ。ダン、タイラを上回る絶大なパワーを持つ彼もまたアフリカを彷徨う鷲戦士。
「命を奪い合う争いはルールに反している!」
「ならば命をかけられない方が負けを認めればいい。お前には分かるまい。鷹戦士の心が」
 一国の領主となり、それで満足する奴はそれ以上の戦いを欲っさない。Fも、ジャンゴーも、スカイファイター。変えられない生き様がある。譲れない誇りがある。ジャンゴーはそれに、受けて立つ気なのだ。
 そのとき、空中で掴み合い蹴り合いながら、ずっと隙を狙っていたジャンゴーの指が瞬時にFの胸をガッシリ掴んだ。勝負はあったか!Fは息も出来ずにジャンゴーを睨んだ。
「Fよ、お前はあまりにも若くして強くなり過ぎた。お前が成鳥すれば俺は勝てなくなるだろう。だから今のうちにお前を殺す。俺が、世界最強のカンムリクマタカであるために」
 その長い爪が心臓に達すれば戦いは終わる。そのとき、ブツリと音がした。Fの胸から血が飛ぶ。ついに心臓は引き裂かれたのか。
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